エリオット波動理論で相場のパターンを把握しよう!
リサさん、エリオット波動ってビーム的ななにかですか?
大輔くん、ちょっとゲームのやりすぎみたいね…。
エリオット波動はFXのチャート分析のひとつよ!
エリオット波動理論はもともと株式投資の世界で生まれ、FXの分野でも広く用いられるようになった理論です。
テクニカル分析の理論はたくさんありますが、その中でも特に重要な分析のひとつになります。
今回は、エリオット波動理論の基本的な考え方や、実際のトレードでどのように使えるのかなどの内容を解説していきます。
面倒なラインは自動で引いてもらおう
初心者が手動でエリオット波動のラインを引くのは難しいので、慣れるまではエリオット波動のラインを自動で引いてくれる「ZigZag(ジグザグ)」を使いましょう。
ZigZagはGMOクリック証券の取引ツールに搭載されています。
初めてエリオット波動理論に挑戦する方はGMOクリック証券での取引がおすすめです。
目次
エリオット波動理論の基本
エリオット波動理論とは、相場は5つの上昇波と3つの下降波で1つの周期を形成するという考え方です。
エリオット波動理論の3原則
エリオット波動理論には3つの原則があります。3つの原則
- 原則(1)…波動3が波動1・波動3・波動5の上昇の中で一番短くなることはない
- 原則(2)…波動2が波動1のスタート地点を下回ることはない
- 原則(3)…波動4が波動1の高値を割り込むことはない
相場はN字に動く

フィボナッチと組み合わせて波の転換点を予測
エリオット波動理論はフィボナッチと組み合わせることで波の転換点を予測することができます。 「このチャートでエリオット波動理論が成り立つ」という予測が正しければ、上昇5波・下降3波が発生することはわかりますよね。 しかし、これだけでは「それぞれの波の転換点がどこか」ということはわかりません。 つまり、波が起こる回数はわかっても、起こる場所がわからないのです。 この場所を推測するためにフィボナッチ比率を活用します。 フィボナッチ比率とは、フィボナッチ数列(隣り合う2つの数字の和で作られている数列)で現れる比率です。 なかでも特に有名なものが黄金比と呼ばれる1.618という比率であり、2つの数字の大きい方を小さい方で割ると、1.618になるパターンを指します。
エリオット波動理論はチャートパターン
エリオット波動理論の6つの波動
エリオット波動理論の8つの波は、6つの波動に分けられます。
I波動 | 単純な上昇・下落の波動パターン。 I波動はあくまで、その1本の線だけに着目したときの分類です。 一方向に動き続ける相場はないため、I波動は必ずいつかV波動になる。 |
V波動 | 上昇からの下落、下落からの上昇の波動パターン。 I波動からV波動になる。 |
Y波動 | 上下動を繰り返し、その落差がだんだん広がる波動パターン。 N波動が連続した波動でもある。 |
P波動 | 上下動を繰り返し、その落差がだんだん縮まる波動パターン。 N波動が連続した波動でもある。 |
N波動 | I波動とV波動の合体した波動パターン。 すべての波動パターンの基本形である。 |
S波動 | 急激な上昇・下落したときの波動パターン。 サポートライン・レジスタンスラインのブレイク時に確認できる。 |
5つのトレンド回帰型
エリオット波動の上昇第2波・上昇第4波では、以下の5つのチャートパターンがよくみられます。1.トライアングル
トライアングルは、相場の上昇・下落の値幅が徐々に狭まくなるチャートパターンです。 狭まる方向に向かってグラフが>の形で三角形になることから、トライアングルと呼ばれます。
2.ブロードニングフォーメーション
ブロードニングはトライアングルの逆で、上昇・下落の値幅が広がっていくチャートパターンです。 ブロードとは英語で「幅が広い・幅を持つ」という意味があります。
3.ペナント
ペナントとは三角の旗のことですが、グラフが>になるため、この名前がついています。 トライアングルと形は似ていますが、出現する前に急激な上昇・下降があることが違いです。
4.フラッグ
フラッグは、ペナントの旗の部分が長方形のような形のチャートパターンです。 この2本の赤い線の間で価格が上下を繰り返し、均衡状態を保っています。 つまり、「なかなかこの価格帯から出ない」という状態です。
5.ウェッジ
日本語でも「エッジが利いた」といいますが、エリオット波動におけるウェッジは鋭い形のチャートパターンです。
5つのトレンド転換型
エリオット波動の第3波や第5波では、トレンド転換型のチャートパターンが発生しやすくなっています。 ここでは、特によく見られる5つのパターンを紹介します。1.ダブルトップ
ダブルトップは山が2つあるチャートパターンであり、文字でいうとMのような形になります。 エリオット波動理論における上昇第3波・上昇第5波が2つの山に該当します。

2.ヘッドアンドショルダー
ヘッドアンドショルダーは3つの山ができるチャートパターンで、まん中の山が一番高いというのが特徴です。 この部分が頭、両わきの山が肩に見えるため、この名前がついています。
3.ライン
ラインは相場の横ばいが続いている状態です。 高値でのラインはライントップといい、相場の天井を示すものです。
4.ソーサー
ソーサーはラインとほぼ同じもので、ソーサートップであれば相場の天井を示します。 ラインとの違いは、その天井が直線でなく曲線ということです。 ソーサーとはカップの下に多く皿のことですが、その皿のようにゆるやかな曲線になっています。
5.スパイク
スパイクは瞬間的に突出した高値・安値がついたチャートパターンです。 スパイク(spike)は英語で「急上昇・急増する」という意味があり、FX用語のスパイクは下降の意味も含めたものです。
エリオット波動分析に便利なインジケーター「ジグザグチャート」
チャートパターンを分析する前に、まず自分で線を引かなければいけないのが大変ですよね。 「GMOクリック証券」が提供している高性能取引ツールのプラチナチャート+では「ジグザグチャート」と呼ばれる相場の高値と安値を線で自動的に結んでくれるインジケーターを利用することができます。 「ジグザグチャート」はエリオット波動をよりわかりやすくトレーダーに可視化し、分析に大きく役立てることが可能です。
エリオット波動理論では値幅観測が可能
エリオット波動理論は値幅観測ができ、「このポイントからこの値幅だけ上昇するだろう」という予測が可能です。 そして、値幅観測には主に4つの方法があり、それぞれ値幅が異なります。 4つの観測方法は、同じチャートパターンでそれぞれ別々のポイントを区切りとして「長さ」・「高さ」を測ります。 同じチャートパターンで別の測り方をする以上、幅が「長くなる測り方」・「狭くなる測り方」が、最初から決まっているわけです。 では、エリオット波動理論の4つの観測方法を紹介していきます。1.N計算

2.E計算

3.V計算

4.NT計算

観測方法の順番に注意!
エリオット波動理論の観測方法は値幅が異なるため、観測をするときは順番に注意が必要です。 基本的に値幅の小さい順に観測し、値幅の小さい順に観測方法を並べると「NT計算→V計算→N計算→E計算になります。 値幅の小さい順に観測するのは、小さいパターンの方が発生しやすいからになります。 そして、チェックするのは「それぞれのパターンを満たしているか」です。 4つとも満たしていたら、相場は反転する可能性が高いと判断できます。 ただし、一番値幅が小さいNT計算のパターンを満たしただけで、相場が反転すると判断するのは危険であり、「V・N・Eの3つのパターンをすべて満たした」となってから動く方が安全でしょう。 もちろん、すべてのパターンを満たしても絶対に反転するとはいえず、あくまで確率が高くなるというだけです。 しかし、NT計算だけを見て動くよりは、4つの計算を全部見て動く方が堅実といえます。エリオット波動理論を利用するメリット
N字を分析していくことでチャートが理解できる
比較的大きなN字が連続するとトレンドになります。 そして、トレンドは上昇か下降かのどちらかであり、トレンドを見つけた時点で「上げ相場」か「下げ相場」の大きな区別がつくのです。 また1つのトレンドだけでなく、それまでも中長期のトレンドも見ることで、大局をつかむことが可能です。 現時点で起きているトレンドを観察すれば、何かしらのチャートパターンが見つかることが多くあります。 たとえば、ヘッドアンドショルダーを見つけたら、「上げ相場は終わった」「4つ目の山はこない」という予測が可能です。 さらに値幅観測をすることで、実際にどこで売るか、あるいは買うかというポイントも決めることができます。利益確定や損切りのタイミングの参考となる
エリオット波動理論は、利益確定や損切りのタイミングを考えるときに役立ちます。 他の指標などと同じく、エリオット波動理論も絶対ではありません。 しかし、やみくもにタイミングを決めるよりは成功率が上がります。 また、利益確定・損切りとも何らかの根拠を持って行う方が、目論見が外れた場合でも学べることが多いでしょう。エリオット波動理論をもっと活用するためには?
プロの思考から学ぶ「西原宏一の思考パターンセミナーDVD」

- 「西原宏一のシンプルFXトレード」の分からない部分が質問できる有料掲示板+メルマガ1ヶ月無料
- 「シンプルFX-PLUS」を有効活用するための有料掲示板+メルマガ1ヶ月無料
まとめ
いかがでしたでしょうか? 今回はエリオット波動について紹介してきました。 エリオット波動理論を理解することは、よりチャート分析を深めていくことにつながります。エリオット波動理論のまとめ
- エリオット波動理論は5つの上昇波と3つの下降波で相場の1周期を形成する考え方
- 相場はN字の動きをする
- 6つの波動パターンとトレンド回帰型・トレンド転換型の10種類のチャートパターンがある
- エリオット波動理論は値幅の観測が可能
- 西原宏一氏の「思考パターンセミナーDVD」&GMOクリック証券の「ジグザグチャート」でエリオット波動をより分析!