スイスフランショックで顕在化した「追証」の恐怖!借金になるの?
FXの追証ってご存知ですか?
追証とは、証拠金維持率を下回った場合に支払う追加証拠金のことです。
「追証のメールが来たけどどうすればいいの?」
「マイナス口座になっちゃったけど払わないとどうなるの?」
と疑問に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こんにちは、FXを勉強中の大輔です。
追証ってなんか追いかけられる感じがしてちょっと怖いです。
そうね、気をつけないと証拠金維持率が下回ると強制ロスカットされたり、追加で入金しなきゃいけなくなるわ。
証拠金不足の通知が来たら放置するわけにはいきません。
追証の実態を把握して正しい対策を知っておきたいですよね。
僕と一緒に追証について勉強しましょう!
目次
そもそも追証とは?
追証(おいしょう)とは追加証拠金のことです。
簡単にいうと追証は「証拠金が足りなくなったので入金してください」という催促です。
FXはFX会社に証拠金を預けておいて、その証拠金を元手にする取引です。
その証拠金が足りなくなる、とはどういう状況なのでしょうか。
まず、証拠金維持率低下によっておこる「マージンコール」と「ロスカット」について理解しましょう。
ロスカットってどんな仕組み?
ロスカットとは含み損が大きくなり、これ以上損失を増やさないために、ポジションを強制的に決済されてしまうことです。
ロスカットの基準も各社さまざまなのですが、証拠金維持率が20%~100%と幅があります。
マイナスなイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、ロスカットは証拠金を守る最後の砦(とりで)です!
損失が膨らんでいるときはそりゃもう悔しいですが、ロスカットがあるおかげでトレーダーは、証拠金の損失による被害を食い止めることができます。
マージンコールってどんなお知らせ?
マージンコールとは、FX会社が証拠金の維持率が低下してきたときに証拠金不足を知らせるものです。
取引をしていて価格が思った方向に動かないことがありますよね。
持ったポジションと逆の方向に行くと、証拠金維持率が低下してマージンコールというロスカットの警告が行われます。
つまり、「ロスカットが近いので、証拠金を追加してください」ということですね。
マージンコールがかかる基準は各社で違っていて、証拠金維持率50%~100%と各社にばらつきがあります。
マージンコールについてもっと詳しく知りたい方はこちらをご参考ください。
証拠金維持率の計算方法
証拠金維持率とは実際に保有しているポジションの必要証拠金に対する、資産額(純資産)の割合のことです。
証拠金維持率の計算式は以下になります。
証拠金維持率=有効証拠金÷必要証拠金×100
国内FX会社はレバレッジを25倍までに制限していますから、25倍で例示します。
たとえば証拠金10万円預けていて、1ドルが100円のとき1万通貨の買いポジションを持ったときの例を見てみましょう。
有効証拠金 10万円
必要証拠金 100円×1万通貨÷レバレッジ25倍=4万円
証拠金維持率 (10万円÷4万円)×100=250%
この時点では証拠金維持率250%ということになります。
買いポジションですから、値上がりを予想していたんです!
一山当てますよ!
しかし、予想したようにはいかず、1ドル=92円にまで値下がりしてしまいました。
では、含み損を考えながら証拠金維持率を計算してみましょう。
有効証拠金 10万円-含み損8万円(1万通貨×8円)=2万円
必要証拠金 92円×1万通貨÷レバレッジ25倍=3万6,800円
証拠金維持率 (2万円÷3.68万円)×100=約54%
10万円の証拠金を入金していますが含み損が8万円発生していますから、証拠金のうち2万円しか有効ではありません。
証拠金維持率が54%となり、たとえばマージンコールが70%のFX会社では手を打たなければいけません。
マージンコールのメールが来ました。
リサさん、どうすればいいですか。
大輔くん、証拠金がたりなくなっちゃったのね。
「追証」を入れるか、一部のポジションを決済してね。
しかし、僕のこのケースでは8万円負けていますが、まだ借金までは背負っていません。
僕が対策を怠ってしまい、相場が急変して1ドル=88円まで値下がりしてしまったとしましょう。
有効証拠金 10万円-含み損12万円(1万通貨×12円)=マイナス2万円
必要証拠金 88円×1万通貨÷レバレッジ25倍=3.52万円
証拠金維持率 (マイナス2万円÷3.52万円)×100=約マイナス56%
預けていた10万円を下回ってしまいました。
こうなると口座に入れていた10万円を失って、さらに2万円の借金を背負うことになってしまいます。
相場が反転すると思ってそのままにしておいたらマイナスになっちゃいました。
ちゃんと損切りしないからよ・・・。
でも、普通は強制ロスカットされますよね!
なぜ発動していないんでしょう。
相場の急変時には発動しないことがあるのよ。
気をつけないといけないわ。
暴落時には借金になる可能性がある
ここまでマージンコールとロスカットの話をしてきましたが、ロスカットのシステムをご存知の方であれば「マイナスになる前にロスカットされるんじゃないの?」と思われるのではないでしょうか。
ごもっともな話なのですが、ロスカットが正常に機能しない場面があるのです。
最近だとスイスフランショックの大暴騰が記憶に新しいですね。
スイスフランショックとは、2015年1月15日に起こったスイスフランの大暴騰です。
これまで、スイス中央銀行はユーロに対してスイスフランが高くならないように売りの為替介入を行ってきました。
ユーロ/スイスフランで1.2を介入ラインとし、長く推移してきました。
ところが、1月15日にこれまで行っていた為替介入を取りやめると宣言したのです。
これによりスイスフランが高騰し、ユーロ/スイスフランが暴落!
3,800pipsも値が動きました。
このとき、強制ロスカットが機能せず、逆指値注文も通らなかったのです。
あまりの急変で値が飛んだことで、1.00スイスフランという予想できない価格でロスカットが行われてしまい、大きく証拠金がマイナスになってしまった人が続出しました。
スイスフランについてもっと知りたい方はこちらをご参考ください。
払わないとどうなる?マイナス口座の追証
マイナス口座になってしまうと、借金を負う事態になってしまいます。
マージンコールで求められる追証とは違い、債務のようなものです。
FX会社は追証を払ってください、と求めてきます。
もしも追証がすぐに支払うことができない場合は、以下のような対処を早めにしましょう。
FX会社に連絡する
FX会社は顧客に連絡がつかないと「返済の見通しが立たない」とみなして強硬な手段をとります。
電話連絡があったら必ず対応しましょう。
そこで「追証を払う用意がある」と意思表示するのが重要です。
基本的には一括返済を求めてきますが、損失額が大きく返済が厳しいようなら分割返済の交渉をしてみましょう。
FX会社も追証の回収がしたいので、相談に乗ってくれる可能性があります。
証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)に相談する
証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)は、FXなどの金融商品取引に関するトラブルについて解決を図るNPO法人です。
解決策について相談に乗ってもらえます。
証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)のホームページはこちら
どうしても払えない!任意整理や自己破産
追証が数千万、それ以上になってしまったとなると、どうしようもありませんよね。
そんな事態に陥ったとき、最終手段として自己破産が使える場合があります。
ただし自己破産をする場合は以下のようなメリットとデメリットがあります。
【メリット】
・借金がなくなる。
・取り立てが止まる
【デメリット】
・財産をすべて失うことになる。
・信用情報に傷がつき、クレジットカードやローンの契約ができなくなる。
・官報に名前が載る。
・一定期間、就くことができない職業がある。
でも、FXの借金は免責不許可事由だと聞いたことがあります。
いざとなったら自己破産できるんですか?
裁量免責が認められる場合があるから、検討すべき対策よ。
投資の失敗でできた借金は、自己破産の認められない「免責不許可事由」にあたりますが、裁判所の判断で破産が認められることがあります。
これを裁量免責といいます。
裁量免責の法律は以下になります。
破産法
第二百五十二条 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。
四 浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。
(引用元:法務省データベースシステム)
FXがこの「射幸行為」にあたります。
しかし、一律で不許可になっているかというとそうでもありません。
次の第2項にただし書きがあります。
第2項 前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。
つまり基本的には不許可とするが、事情をかんがみて裁判所の裁量で免責されることがあるわけです。
デメリットも大きい自己破産ですが、FXでも免責されることがあるんです。
決して安易な自己破産をすすめるわけではありません。
にっちもさっちもいかなくなったときのために、頭の片隅に入れておきましょう。
まとめ
いかがでしたか。
今回は追証についてお話ししてきました。
追証とは、FX会社ごとで決まった証拠金維持率を下回った場合に追加する証拠金のことです。
追証になってしまった場合、すぐに支払えないと借金になってしまいます。
リスクをしっかりと認識して、なるべく追証にならないように、資金に余裕を持って取引をしていきましょう。
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